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ダイアトニック・スケール【後半】

前章の「7つのスケール」は「教会旋法」とも呼ばれます。ここで、「Avoid Note(アボイド・ノート)」という厄介な存在を知っておく必要があるので説明しておきます。

Avoid & Available

使用可能なテンションを「Available Note(アベイラブル・ノート)」と言います。テンションについては<Chapter8>で詳しく解説します。

Available Note

また、逆にコードに対して不協和音となり、避けた方がよい音を「Avoid Note(アボイド・ノート)」と言います。

ピアノ奏者が「CM7」を弾いてる時にギターで「C Major Scale」を弾くと当然ながらマッチしますが、その時に「4度」の「F音」を長〜い音符で弾いて強調させるとハーモニーに違和感が生まれます。

CM7「3度」の「E」と「4度」の「F」が半音同士ゆえに、音がぶつかるので避けましょうというわけです。

なるほど!「E」と「F」は「半音関係」だから避けたほうがいいのか・・・

・・・ここで疑問が生まれます。

7度の「B」と1度の「C」も半音関係だから避けた方がいいの?

コードが「CM7」であれば「B音」は構成音ですから避ける必要はないので「半音関係」が原因ではなさそうです。

では何故この様な現象が起きるのか?

それは、「CM7」のコードとしての機能が変化するからです。

実際に弾くと解決感のないサウンドがわかると思います。

この「機能」について簡単に説明すると「CM7」の構成音「C・E・G・B」に「F」が加わると「CM7」ではなくて「G7(11,13)」のサウンドに聞こえてしまうからなのです。

「G7」の構成音は「G・B・D・F」でしたね。

この中に「トライ・トーン」という「3全音」の「B・F」が含まれているのが原因となり、「トニック」としての機能ではなく「ドミナント」の機能が働いてしまうというわけです。

Avoid Note (使用を避ける音)

Avoid Note

「アボイド・ノート」についてはホントに微妙な部分で「絶対に避ける音」ではありません。私は全く気にせずにフレイズに加えて弾きます。

「モード奏法」という音楽観点からみれば「コード概念」とは関係のない「スケール」だけの世界があります。そこでは「アボイド・ノート」は存在しなくなります。逆に「Ionian」を強調させないような奏法で調性やコードからの脱却を目指しているのです。

興味のある方はモード奏法でのアプローチで有名な「マイルス・デイビス」の傑作レコード「KIND OF BLUE」を参考にすると良いでしょう。

ダイアトニック・スケール「key=C」の概要は以上となりますが何となく理解できたでしょうか?

スケールをそのまま弾くだけではあまり面白くないのでちょっとアドリブ演奏をやってみます。今回は「C Major Scale」の音だけを使用して演奏してみます。

完全なるインサイドの演奏となりますが、音の配列を変えてみたりリズムが加わることで変化します。

♪ Ad-lib (C Major Scale)

Ad-lib C Major Scale

スケールの練習

基本的にスケール練習は「オルタネイト・ピッキング」を心がけて弾く方がいいでしょう。ちなみに私の場合は「ハンマリング・オン」や「プリング・オフ」を多用するのでいつも結構適当ですが、練習の時だけは基本の「オルタネイト」を心がけています。

  • 「オルタネイト・ピッキング」とは?
    「ダウン、アップ」 もしくは「 アップ、ダウン」を1音づつ交互に弾く奏法です。
  • 「ハンマリング・オン」とは?
    ピッキングせずに弦を押さえる事で音を出す奏法です。
  • 「プリング・オフ」とは?
    ピッキングせずに弦から指を離す時にその指で弦を弾いて音を出す奏法です。
ABOUT US
TKex-musician
ミュージシャンを目指してニューヨークに5年ほど留学し、現地でたくさんの事を学びました。このブログは私が学んできたジャズ理論の集大成です。ちなみに2014年に音楽活動から退き、現在はのんびり楽しく暮らしています。